漢語角活動レポート

2008.8.3 第51回

大家好。
 初めてメッセージを投稿させて頂きます。浅野です。段さんからお話があり、各回の内容を記録する事になりました。前回の漢語角の内容を下記の通り、報告します。初めてで投稿の仕方が分からなかったため時間が経ってしまい申し訳ありません。これから毎回沢山のお話を忘れない様、また自分の身になる様、報告してゆこうと思っております。どうぞ宜しくお願いします!

広州総領事館 首席領事 瀬野清水先生

(一)現在の広州の最新状況  日本からの企業も多数進出している広州には自動車会社では豊田、本田、日産など大手企業の工場があり工業が盛んな都市である。 それと同時に『食は広州にあり』と誰もが一度は耳にした事がある有名な言葉がある通り、食文化もとても有名である。 しかし食以外に広州で有名な物は何か、というとあまり皆の印象に残るものが無いのが現状である。この様な状況から、広州では観光客が滞在する平均日数が0.7日と1日を下回り、広州には滞在せず食事をして通り過ぎる通過点になっている。 このように、日系企業も多数進出し、有名な場所であるイメージのある広州だが実際は観光業・サービス業にウィークポイントがある事を現地でも理解し今後は観光業に力を入れて行く事を課題としている。

(二)質問コーナー
<1:領事館の仕事はどのようなものですか?>
●大使館と領事館の違いについて
・大使館 — 国を代表する機関であるから各国に1つのみ
・領事館 — 1つでなくても良い
 現在は遼寧省(大連派出所含む)、上海市、重慶市、広州、香港の5カ所。
●首席領事とは
総責任者である総領事の下にいる、副総領事のような役割。総領事不在の場合の代理や、下の仕事をチェックしまとめたりと何でもこなす大変な役割。
●仕事内容
1.政治  国家間での仕事 等
2.経済  日系企業の進出を手助けする 等
3.文化  日本の文化を中国へ、中国の文化を日本へ伝える
4.査証(VISA)査証の発行
5.領事  結婚届け、転居届、の受理等、日本で言う役場のような仕事

<2:中国から日本に来る際、ビザ取得が難しいと聞きますが、今後はどのようになっていくのでしょうか?>
 これからは益々自由に行き来が出来るようになると考えていますし実際なるべく自由に行き来が出来るようにしようとしています。既に観光ビザはかなり楽になっているので、中国からの観光客がとても多くなっています。広州だけで言えば、08年上半期だけで昨年1年分の観光客が既に日本を訪れています。 就労、就学ビザについては、暫くの間現状と同様に取得は難しくもないが簡単でもないという状況が続いていくと思います。やはり一握りではありますが不法滞在をする人等がいるためです。しかしこれから先は、環境保全など日本の進んでいる所を学びに来てくれる熱心な方々が沢山増えて来てくれる事を願っています。

<3:領事の仕事をしてきて最も印象深いエピソードは何ですか?>  1990年、娘が小学校3年生の頃、中国の給食はお世辞にも美味しいと言えるものではなく、当時の中国人の小学生も一口食べては吐き捨てるというようなものでした。 しかしある日、私と娘は中国の小学生が残した給食を全て平らげました。その光景は数日後地元の新聞に取り上げられ“節約は領事パパから学ぼう!” というフレーズが紙面を飾りました。 日本では節約、勿体ないと想う事が美徳であり、中国では残す事が美徳であるとされる点があります。そのような文化の違いの中で中国人が残した食べ物を裕福とされる日本人が食べるという事は中国の人達にはとても衝撃的な事だったのだと思います。私はこの件があってから “打包”という文化が中国に広がって行ったのではないかと実は思っているのですが、その事が自分としては今までの領事生活の中で一番印象に残っている事です。

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